Simple life*

見たこと聞こえたこと感じたこと思うまま

鴨をさばくといろんな職種を経験できる。

クリスマス。
わたしは毎年サンタの格好して街中をうろちょろして過ごしてました。
シングルの時もそうじゃない時も。
洋服着なくても変な目で見られない年に2回のうちの貴重な1回でした。

クリスマスってだけで、街は騒がしいくらいにぎやか。
クリスマスソングが勝手に耳に入ってきて、
赤か緑のものを横目に、楽しそうな人々が流れていいく。
そんな街中で過ごしていました。

でも今年はうって変わってこの古座川町
若い人がなかなかいません。
カップルなんて・・・ご夫婦ばっかりです。
クリスマス感を頑張ってるのは、コンビニがダントツ。
ケーキとチキンまみれの陳列棚に心踊る子どもたち(と、わたし)。

そんな時ご近所さんから朗報が。
「鴨いらんか?」

ということで、この瞬間わたしたちのクリスマスは
チキンではなく、ダックということに決定。
クリスマスの真昼間から鴨との戦いが始まりました。

①捕まえる。
もらう時に歩けんようにと結んでくれた紐がまさかのとれている。
鴨逃げる。
きっと自分の運命を悟っていたのだと思う。
草むらの中、倉庫の下ととにかく隠れて逃げる。
3人がかりで追い込み猟。
捕まえた。f:id:Lutin:20161226135011j:plain

②気絶させる。首を切る。
水の入ったバケツの中に頭を突っ込んで、ぐるぐるして
鴨を気絶させてから、首を切る。
血がどくどく流れ出て、生々しい。
生が死と戦う瞬間。
しばらくすると、動かなくなり、全身の力が抜ける。
血が抜け切るのを待つ。

③お湯につける。毛をむしる。
まずは、熱湯風呂へ。
「湯加減どうですかー」って、熱いに決まってるけど。
そのあと、全身脱毛タイム。
f:id:Lutin:20161226135117j:plain
とにかく手作業で全身の毛を除去。
そしたら、スーパーとかでみたことある、
あの肉と皮の感じになる。

④うぶ毛をあぶる。
f:id:Lutin:20161226135142j:plain
どうしても残ってしまう細かい毛を焼いて除去。
全身脱毛は少しでも残ったらクレームだから。
最新の注意をはらって、毛を除去します。
これで、ムダ毛ばいばい。

⑤解体。
せっかく天気がいいので、青空解体。
f:id:Lutin:20161226135227j:plain
「お客さん、だいぶかたまってますねー」
なんていいながら、整体師になった気分で関節をほぐす。
f:id:Lutin:20161226135337j:plain
包丁を入れる。
鴨は脂がすごい。
「これがね、固まるととれないですよー」
なんて言いながら、無駄な脂肪除去。

そしたら、みるみるうちに肉の塊になっていく。
3分クッキング。(あれ3分じゃないよね。)
で、できあがりがこれ。
f:id:Lutin:20161226135459j:plain

クリスマスダックのできあがり。
持って帰って調理して、おいしくいただきましたとさ。

命をいただく、ってこういうこと。
コンビニでこんがり焼かれた茶色の塊を買うのもいいけど、
たまには本当の生からいただくのもいいかな・・・なんて。

鴨さん、ありがと。